専門性

2002年02月08日号

●深夜まで酒を飲んだ後は小腹が空く。


「ちょっと寄って行こう」てことで、ラーメン屋に入ったりする。


皆さんにも経験があると思うが、
翌朝、胃がもたれていることが多い。


でも、お腹が空いているのだから、何か食べないと気がすまない。


そんな悩みを解消してくれるかのごとく、
新しい形態の店が人気を呼んでいる。


「お茶漬け」専門店だ。


飲み屋街に行くと、
ちょっと古い感じのその手の店は以前からあったと思う。


「お茶漬け」以外にも、
「おにぎり」であったり「みそ汁」が専門であったり…。


飲んだ後だから、どんなものでもおいしい。


サラリーマンから「お茶漬け屋」を起業した若者を紹介したいと思う。


●なぜ、「お茶漬け」なのか?


ラーメンはどうしても男性中心のイメージが強い。


それに対して、「お茶漬け」なら、
女性にも受け入れられるのではないだろうか。


そこで、女性も視野に入れ、
「食」を楽しめるよう様々な工夫を凝らしたいという。


味は、カツオブシとトンコツの2種類。


米は、コシヒカリと発芽玄米をブレンド。


また、シャケやウニなど具材も、
それぞれの名産地から仕入れるこだわりよう。


変わりダネとしては、
キムチやキャビア茶漬けまであるという。


また、米をなるべく少量にし、
いろんなメニューを楽しんでもらえるようにした。


●飲んだ後だけではなく、
ランチとして利用する客や、忙しい仕事の合間に駆け込むビジネスマンも現れた。


メニューの数は、約30種。


1日平均150人の客がその味を楽しんでいるという。


いずれにしても、客の回転は良さそうだ。


この業態は、良い意味で「おまけ」的存在である。


来てくれる客は大切ではあるが、
1つのつまみで2時間も3時間も滞在されたらたまったものではない。


今後の展開に関してはFC制度を導入していくという。


このあたりに、元サラリーマンのビジネスマン的プランもしっかりと考えられている。


【総括】


●専門店にすると、どうしても客層を絞ってしまうことになる。


かといって、多くのメニューを掲げればいいかというとそうではない。


店の個性が失われていく危険性がある。


最近行った店に、元々「カツ丼」屋さんなのに、
ちゃんぽんが非常に人気のある店があった。


ランチタイムにその店に行くと、
ほとんど全ての客がチャンポンを食べている。


もちろん、カツ丼を注文すればカツ丼を作ってくれる。


チャンポン屋でチャンポンがうまいのは当り前。


「カツ丼屋なのにチャンポンが美味しい」
という部分がクチコミを生み出しているようだ。


専門化するまでに踏み切れない経営者がいたら、
まずは、「これだけはどこにも負けない商品」作りから始めればいいのでは?


全てに平均的であるよりも、何かが飛びぬけている方が目立つ。

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