人間味あふれる焼き鳥屋販促

2003年06月02日号

●飲食店チェーンを展開している大手「大庄」社長の創業時の話を紹介しよう。


なぜ、大手企業の創業者は成功したのか?


どういった武器があったから、成功できたのか?


ついつい、我々から見れば雲の上の存在で、違う世界での出来事と捉えがちだが、
大庄社長の創業時のエピソードを読めば、
決して彼らが万能者や神様でないことが理解できると思う。


●ほぼ資金ゼロの状態で焼き鳥屋を開店したが、
立地の悪さもあり、客が来ない日々が続いていた。


どうしたら客が来てくれるのか?


ここで彼のとった行動は、非常にシンプルなものだった。


毎日の仕込みが終わると、毎日近くの銭湯に行くことにした。


銭湯にはおじいちゃんがいっぱいいる。


そのおじいちゃんたちの背中を流してあげるのだ。


流しながら世間話をしていくと当然、
「あなたは何をやっているんだ?」という質問が出てくる。


彼は満を持して「そこで焼き鳥屋をやってます」と答えたという。


●銭湯だけではない。


一度来店した客には、また来てもらわなければならないので、
肩がこっていると言えば肩をもみ、靴が汚れていれば靴を磨き、
泥酔した客は、自転車で自宅まで送り届けるといった、
いわゆる「喜ばれること」ならなんでもやった。


●この手の苦労話はよくある話かもしれないが、
実際に行動に移すとなると、
体裁や恥ずかしさといったものが先に立ってしまってしまう。


だから、出来ない。


何か他の方法はないだろうか? …では、何も始まらない。


実際に、日々「喜ばれること」を続けているうちに、
不思議なもので、彼は次第に辛くなくなってきたという。


その度に「ありがとう」と言われると、
辛さや恥ずかしさよりも喜びが伝わってくる。


さらに、「心の底からありがたいと思っていただかなければならない」という思いから、
ますますサービスに力が入っていったという。


●客に喜んでもらう。


そんな感謝の気持ちが芽生えてくると、店は次第に繁盛していった。


やがて、スタッフも増え、
そこで彼は、スタッフにも喜んでもらうために、無償の愛を注ぐようになる。


無償の愛とは、自分に見返りを求めない愛。


スタッフに「本当は何をしたいのか?」と聞くと、
「独立したい」と答えたという。


そこで、彼は独立制度を確立し、
現在の繁栄につながっていくことになる。


【総括】


●大庄社長は銭湯で背中を流しながら店を知ってもらった。


ここに大きなヒントがある。


味は基本ベースとして、人々が居酒屋に求めるものは人と人との触れ合いであり、
落ち着くことのできるスペースであったりする。


新聞朝刊に大量のチラシを折込み、歓送迎会キャンペーンを実施することを全否定はしないが、
もっともっと基本的で人間味を感じることのできる方法はいくらでもあるはずだ。

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