一切、販促活動をしない店

2001年07月04日号

●「知る人ぞ知る店」って、よく情報誌に載っているが、
それでは本当に「知る人ぞ知る」ではない。


そんな中、「知る人ぞ知る」を徹底している店は実在する。


しかし、徹底しているだけに、その店を知る情報も皆無に等しい。


知人からのクチコミ情報に頼るしかないのだ。


●「知る人ぞ知る」を徹底している店とは、どのようなものなのか?


それは、店頭に看板も出さず一切の宣伝活動もしない。


たまたまその店を発見し、入店しても、一元客にはめっぽう冷たい。


さらには、知人の紹介で訪れたとしても、
「この店のことは絶対他の人には教えないでほしい」
と念押しされてしまう。


まさに、“こだわり”の塊だ。


●こだわる反面、マスを相手にしない経営はうまくいくのだろうか?


その点を踏まえてか、
店を繁華街ではなく、郊外に構えているケースが多い。


だが、その部分でさえ消費者にとっては、
「私だけが知っている店」という秘密っぽさと、
優越感にひたることが出来、わざわざ遠方まで足を運ぶそうだ。


【見解】


●趣味で経営している人でなければ少なからず賭けであろう。


「来て下さい」と大手を振って宣伝することが出来ないのだから。


また、そこまでこだわるには、
それ相応の内容(雰囲気や味など)が必要とされる。


●情報が氾濫している現代。


どの雑誌を見ても、“居酒屋特集”や“おいしい店見つけた!コーナー”などで埋め尽くされている。


これは、他店と差別化された販促なのか?


出店する際は、店全体のコンセプトを考える必要がある。


それは、客層や料理内容、そして販促計画に対しても同様だ。


どのように告知(人に伝達すること)すれば最も効果があるのか?


中途半端な宣伝活動が一番効果を生まない。


【総括】


●「人に料理を食べてもらう」
「人にモノを買ってもらう」
は、決して媚び諂うことではない。


その店独特の“こだわり”があって当然。


堂々と自信を持って売ればいい。


しかし、そのこだわりはあくまで上質なものでなければならない。


こだわりが受け手にとって「他とは違うな」と思わせれば成功。


「誰にも教えるな!」ほど、
誰か(特に自分にとって大切な人)に教えたくなる言葉はない。

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