1ドルお試し会員

2001年09月17日号

●アメリカに、会員数6000万人を持つ会員制通販会社がある。


自社では、在庫を一切持たず、
各商品のメーカーと提携することにより、顧客から注文が入った場合、
注文内容が各メーカーに転送され、メーカーの工場から直接顧客の自宅へ商品が送られる仕組み。


流通ルートを大幅カットすることで、
他社では考えられないような値引きを実現している。


●この会社の販売戦略には、いくつかの特徴がある。


まず、取り扱っているアイテム数の多さ。


1700ブランド25万点にもおよぶアイテム数。


これは、在庫を抱えない仲介型の通販企業だからできるもので、
もはやデータベース化された商品情報企業といった感がある。


そして値段の安さ。


もし、買った商品が30日以内に他店でより安い値段で売られていた場合、
その広告を送ると、広告との差額分を返還するサービスを行っている。


さらに、全ての商品に2年間保証を付けている。


衣料品などに対しても、2年間の保証を付けるのは大きな特徴といえる。


●会員制通販なので、年会費が49ドルかかる。


しかし、この部分でも面白い戦略を打ち出している。


入会に際し、1ドルで3ヶ月間のお試し会員になれるのだ。


そして、1ドル支払ってお試し会員になってくれた人には、
もれなくラジカセをプレゼントする。


この会社では、10ドル以上するであろうラジカセをプレゼントに付けてまで、
お客さんに1ドル払わせている。


それがたとえ1ドルであれ、
能動的に自分の金を払い会員になることで、
サービスに対する姿勢が変わってくるのだという。


●これを単に「無料で3ヶ月間のお試し会員+ラジカセプレゼント」としてしまうと、
単にプレゼント狙いが増えるだろう。


しかし、1ドルでも自分の財布からお金を出させることで、
顧客としての心構えが出来るという。


また、1ドルの支払いでも、
クレジットカードの登録をさせてしまうところが上手い。


【総括】


●通販業界も一時の上昇ムードはない。


根本的に日本という土壌が限界を生んでいるのかもしれない。


アメリカは広大な土地柄、通販が発展する要素が充分に備わっている。


しかし、日本にはすぐ近くに便利なお店がいくらでもある。


わざわざ通販で買わなくても不便はないのだ。


●しかし、これを逆説的に考えると、
わざわざ通販で買わないと手に入らないものを売ればいい、となる。


遠い土地のもの、オリジナル性の強いもの、…日本の通販を考えよう。

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