プレゼント

2002年02月15日号

●いよいよ、今年開催されるワールドカップにて、
面白いアイデアが登場した。


もうご存知の方も多いと思うが、
世界各国のチームのウォーミングアップや、客の応援シーンを、
競技場より撮影する「子供カメラマン」の募集である。


応援席からではなく、
フィールド上で、目の前に憧れの選手達を写真におさめることが出来るのだ。


これを見て思い出したのが、
先のオリンピックで、聖火ランナー募集というものがあって、
いくつかの区間を分けて、各人にあて、
当選した人は、実際に本物の聖火をを持ちながら走ることが出来るのだ。


まさに、世界的な歴史の中の1ページに名を刻んだような心境だろう。


●普通、企業が行うキャンペーン等は、
旅行プレゼントであったり、コンサートご招待だったり、
いわゆる「当たって得するもの」が基本であった。


それに対し、「写真を撮ったり」「走ったり」には、
あまり得することもなさそうだ。


しかし、こういうキャンペーンには応募が殺到する。


なぜか?


特に日本人にいえることだが、
物的満足感より、精神的満足感を得られるものに価値を見出すことが挙げられる。


他に面白かったのは、
宇宙飛行士募集なんてものもあった。


人はそこに何を求めているのか?


簡単にいうと、それは“想い出”ではないかと思う。


「ボクはあの○○選手の間近で写真を撮ったんだよ!」とか、
「私はあの聖火を片手に走ったわ!」なんて声が聞こえてきそう。


形は何一つないが、想い出だけで充分に販促商品になり得るのだ。


●冒頭に紹介した事例は、あまりに国際的なので、
もう少し規模を縮小して考えてほしい。


その時、1つ念頭においていてほしいのは、
“想い出”を作りたがっている人たちはどんな人たちなのか? といういこと。


もし、そういう人たちがある程度わかっていれば的を絞りやすい。


個人的な意見だが、
“想い出”作りをしたがる人たちの代表例を挙げたいと思う。


1つ目は、小さい子供をもつ親子。


テーマパークなどに行っても、
カメラやビデオを持ち歩いているお父さんが多い。


それが、想い出作りをしたがっている何よりの証拠。


もう1つは、カップル。


これも、親子同様、カメラやプリクラなど大はやり。


この2つの層をターゲットにするだけでも、面白いアイデアは出てきそうだ。


●カップルの方では、恋人ツアーや、
街頭にある大型ビジョン使用権なども、面白い商品になりそうだ。


(大型ビジョンはそれを利用して愛の告白など)


親子には、商店街イベントとして、お父さんが正義のヒーローになり(着ぐるみはレンタル)、
悪者にさらわれたお母さんを助けるショー主演権など。


ちょっとふざけ過ぎかもしれないが、
こんな遊び感覚でもいい。


自分が「楽しめる!」と思い、
それがいい“想い出”になれば最高のプレゼントになる。


精神的満足感を与える販促プランを考えてみてほしい。


【総括】


●ネットが登場して、
いよいよ物的プレゼントの価値観が薄れているように感じる。


懸賞サイトなどは無数に存在し、誰でもクリック1つで応募できる。


プレゼント内容も似たようなものばかり。


懸賞マニアにとっては喜ばしいことかもしれないが、
便利さは、モノの比較を容易にすることが出来、お互いの差別化が難しくなってくる。


ちょっとやそっとのプレゼントキャンペーンでは、誰も見向きもしなくなった。

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