変化する客の嗜好

2003年03月09日号

●競争が激しいホテル業界にあって、
広く世界で認められている「顧客管理サービス」を導入した日本のホテルがある。


世界で、5つ星ホテルの割以上が導入してるそのシステムとは…?


簡単に言えば、一人一人の客の嗜好を即座に取り出せるシステム。


客の嗜好とは、例えば、ある客がホテル予約の電話を入れたとする。


すると、通常であれば、日時や人数、部屋の空き状況などを確認して終了というパターンがほとんどだが、
そこに加え、「お客様は高層階をご希望ですよね」といったやりとりができる。


これはもちろん、以前ご利用いただいた時のデータを元にしてある。


●このような客の嗜好データを、リピーター確保のために蓄積しているホテルも多いと思うが、
システム構築を一社の力だけで行うにはコストがかかりすぎる。


仮に、パソコン上にそれらの情報をインプットしていたとしても、
予約係の人間が電話を受けながら即座にその客のデータを取り出せなければ意味がないし、
客の嗜好を発見できるのは、何も電話を受ける予約係だけとは限らない。


その点、このシステムはLAN構築を重視しており、
例えば、客室への案内係やドアマンたちでも、
客のちょっとした生の声を、ホテル内に40代以上設置されているパソコンに即座に入力できるという。


●また、大手のホテルになるとグループ経営している場合も多く、
一人の客がグループ他店へ予約を入れた場合でも、その情報は即座に取り出せる。


サービス業の場合、ついつい目に見えるサービスに走りがちだが(もちろんそれも大切なことだが)、
このような何気ない、表面には出てこないサービスこそ、
現代の消費者に求められているものなのかもしれない。


【総括】


●販促活動をする上で常に意識していただきたいことは、
「客の嗜好は常に変化する」ということ。


例えば、一人の男性でも、
昼間はバリバリの「サラリーマン」かもしれないが、
夜や休日は「お父さん」に変化してしまう。


その瞬間に求めるものも、違ってきて当然。


客の嗜好を探り出し、常に追加・更新していかなければ、
本当の客の好みなんてわからない。


そういえば、私も独身の頃はホテルの高層階に泊まるのが好きだったが、
二児の父となった今は、なるべくロビーに近い低層階に泊まりたいなんて思ったりもする。

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