田舎でも”売る”1

2001年09月24日号

●岡山県の片田舎、高齢比率の高い人口24000人の小さな町に、
全国でも有数の売上げを誇る「化粧品・薬品販売店」がある。


売り場面積約330平方メートルの同店は、年商4億7000万円を稼ぎ出す。


この数字がどれだけすごいかというと、
都市部においても、同規模の店なら2億円も売れば優良店とされることからも、
驚異的な売上げだということがわかる。


メーカー本部も「この町でこんなに売るとは神業だ!」と称賛する。


来店客数は、多い日には800~900人にも及ぶ。


この店の驚異的な売上げの秘密は、どういうところにあるのだろうか?


●この店を支えているといっても過言ではない社長婦人は、
「お客様が気持ち良くなれる店作りが、他の店よりほんのちょっとできているだけ」
と謙遜する。


その“ほんの少し”を紹介していこう。


まず、お客様を必ず名前で呼ぶ。


「○○さん、いらっしゃい」と迎え、
『この店は、自分の店』と感じさせるのだ。


もちろん従業員にも徹底させているが、
どうしても名前を忘れてしまうこともあるという。


そういう場合の対処法も万全だ。


どうしても名前を思い出せない客が入ってきた場合、
従業員同士、目で合図をし、一番若い従業員に、
「あのー、お名前伺ってもよろしいですか?」
と尋ねさせる。


客が名乗った瞬間に、別の従業員が「だめよ、○○さんにお名前伺うなんて!」とする。


新人が知らないだけで他の従業員はあなたのことを知っている、
と思わせるのだ。


●もう1つ徹底していることは、お客様を何かしら誉めるということ。


お客様には“ここを誉めてほしい”というところが必ずある。


それを見つけ出し、「素敵なネックレスですね。」と話しかける。


もし、おしゃれをしていなくても「いつもきれいな肌」と言う。


商品説明より世間話にかける時間の方がずっと長いそうだ。


そして、誉めることを繰り返していくうちに、
客は誉められたくて、少しずつおしゃれをして来店するようになる。


やがて、周囲の人にも「きれい」と言われる機会が増える。


客はお店に行くようになって、どんどんきれいになっていくのだ。


「誉めてばかりだと、ウソくさく思われないか?」と指摘する人もいるが、
それは中途半端に誉めるかららしい。


『店は舞台、従業員は女優』と考え、徹底して誉める、という。


【総括】


●やや文章が長くなったため、
今回は「客を名前で呼ぶ」と「客を徹底して誉める」の2つに留めたいと思う。


次回、さらに“田舎でも売る”ための手法を2つ紹介したいと思う。


このお店の場合、特に販促における媒体を使用しているわけでもなく、
驚異的な売上げを示している。


“心理作戦”とでもいうべきか。


あらゆるサービス業・営業マンに通用するアイデアだ。

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