本当の限定品

2002年04月05日号

●「土・日曜日限りの完全限定品」という見出しのチラシを、
毎週のように折り込んでいる店は少なくない。


例えば、ビールの特売などで「完全限定」とうたっていながら、
結局、毎週末、同価格での特売を行っている場合が多い。


同業他店との価格競争を考えると仕方ない部分もあるだろうが、
そこに表記されている「完全限定品」に魅力は感じられない。


●“売れる”商品であれば、
誰もが、売れ続ける限り売りたいと思うだろう。


しかし、今注目を集めている衣料店では、
全く逆の路線を確立している。


圧倒的に売れ筋商品であるレースのブラウスや、
一週間に200枚も売れていた商品を、
一定期間で完全に新商品と切り替える戦法だ。


棚に置いておきさえすればどんどん売れていく商品にもかかわらず、
そこに例外はない。


しかし、この店は、常に若い女性客でごった返しているという。


●客心理から見た場合、いくつかの意見が考えられる。


「いつも違う商品があるから楽しい」


「2週間でなくなるのであれば、今買っておかないといけない」などなど。


一般の店で見られる在庫処分品なども、一切置いてない。


一見、「在庫になるよりも、安くてもいいので売り切った方がいい」と考えがちだが、
案外、これが大きなマイナス要因になっている場合がある。


まずは、在庫品を目立つ場所に並べることで、
新商品の店頭アピールを邪魔している。


また、「今買うより1ヶ月後の方が安くなるかも」という、
買い控え現象を引き起こすことにもなりかねない。


まさに、悪循環である。


●このように、本当の意味で「限定品」の意味を持つこの商法は、
一度波に乗れば、飛躍的に売り上げを伸ばすことができるだろう。


しかし、そこに至るまでの準備もまた大変である。


常に、客に受け入れられる商品開発・仕入れ、
スタッフの商品知識導入など。


さらに、次に出す商品が必ず売れるとは限らない。


常に勝負していく“店の力”が必要となってくる。


【総括】


●今の日本は「限定品」ブームといえる。


メーカー自体が数量を限定して販売している商品や、
期間を区切った限定セットなど、
実際に売れている商品は多い。


チラシなどの媒体にそれらの告知をするのであれば、
なるべく説得力のある商品を選出したいものだ。


本当に限定ではない「限定品」や、
あまり安くない「お買得品」を載せてまで広告を出す必要性がどこにあるのだろうか?

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