手に入りにくい当地限定菓子

2001年08月03日号

●百貨店の食品売場には、
今や全国の銘菓を取り揃えているのは当り前。


消費者は、都会に居ながら全国の銘菓と出合え、
地方の菓子店にとっても名を上げる格好の機会。


双方にメリットがあったからこそ、急速に広がった。


●しかし最近、そこに落とし穴があることに気付きだした。


様々な百貨店に誘われるがままにあちこちに出店、
当初は売上げも急激に伸びたものの、売り場が増えるとともに新鮮さは薄れ、
10年足らずで撤退に追い込まれるといった例も珍しくなくなってきた。


●そんな中、あえて東京をはじめとする大都市には出店せず、
商品も出さないことが戦略としての意味を持つ。


特に、菓子は土産物・贈答用の需要が多いことを考えると、
珍しさや手に入りにくさ、希少価値があって当然。


「当地限定」のマーケティングだ。


●九州の、あるカステラ店はそんな当地限定を貫いてる。


また、商品へのこだわりは、
製造法にしても、自動的に焼くことの出来るトンネルがまを使用せず、
1枚1枚職人が焼く固定がまを使う。


手間ひまかけてつくるだけあって、ファンも多いらしい。


【見解】


●なるべく消費者に近いところに商品を置くという商売の常識が、
常に正しいとは限らない。


これほどモノがあふれる時代には、逆に手に入りにくいことが価値を持つ。


●ナショナルブランドメーカーが限定商品に力を入れ始めたのも、
そういった傾向を受けてのもの。


【総括】


●インターネットや配送網の発達により、
自社商品をすぐに全国展開したがる企業は多い。


最後に、カステラ店社長の言葉を記したいと思う。


「売上げはじわじわ増える程度が一番いい。
年商も5千万円くらいずつ増えれば20年後には現在のほぼ倍。
私が見通せるのはその辺までで、後は次の世代が考えればいい」

米満和彦 著書一覧