使用時体験の提供

2001年11月07日号

●アメリカの流通業の歴史を見ると、
1830年頃にスペシャリティストア(専門店)という小売店が登場する。


1900年くらいには百貨店、
1950年くらいにはディスカウントストア、
1970年にホームセンター、
そして1985年頃からカテゴリーキラーという新しい大型店が登場、
1988年ぐらいからパワーセンターの走りが始まる。


この歴史の流れの中で、現在のアメリカは百貨店や量販店がかなり苦しい状況である。


しかし、1830年頃に登場したスペシャリティ(専門店)は、
狭い店でありながら今もなお生き続けている。


●ここで、アメリカのあるスペシャリティストアの話をしてみたいと思う。


業種はおもちゃ屋さん。


ここでは全てのおもちゃをお客様に触れさせる。


一緒に遊んでくれる楽しい店なのだ。


これは「使用時体験を提供する」という独自の固有の長所となる。


一方、大型おもちゃ専門店は袋は破いちゃいけないし、
箱ものはセロテープがかかってる。


ゲームソフトにいたっては現物がなくて、
カードみたいなものがあるのみ。


使用時体験がほとんどできないのだ。


●これを別の業種にあてはめると、
服は試着、靴は試し履き、と一見思うのだが、
それ以上に使用時体験を追求できないものか?


靴は足に合うから、で決めても、
実際30分くらい歩かないと本当に合ってるかどうかわからない。


アメリカのスポーツシューズの店では店内にバスケットコーナーがあり、
お客様に自由に走ってもらえる。


これならよく分かる。


試食にしても日本の売らんかなのキャンペーンと違い、
店内全ての食品を試食させてくれる店もあるという。


本当の使用時体験の提供こそが、
“スぺシャリティストア”をいまだに生き残らせている理由かもしれない。


【総括】


●スーパーの試食は非常に食べにくい。


理由は、店内に試食コーナーが1~2ヶ所しかないからではないか?


1店内に10ヶ所ほどもあれば、気がねなく食べることができる。


しかも、スーパーに行くのはほとんど食事前。


お腹が空いてるからもちろん“おいしく”感じるだろう。


また、そういう“遊び”のスペースがあるとついつい来店してしまう。


もっと多くの試食コーナーを設けてもよいのにと思ってしまう。

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