安心できる無料レッスン

2002年01月18日号

●牛丼業界も、価格競争により、
ランチタイムにはビジネスマンや学生で大盛況だ。


理由としては「安いから」となるだろうが、もう1つ人気の大きな理由がある。


「速い」ということ。


注文して、ものの30秒くらいで目の前に牛丼が並ぶ。


1日中過密なスケジュールで多忙を極めている日本のビジネスマンにとって、
「速い」は非常に魅力的だろう。


注文して、食材が並び、食べ終わるのに1時間かかる定食屋さんよりも、
全てを15分程度で済ませられるのなら、残り45分で昼寝だって出来る。


この速さも、実は商品の特徴として、
消費者の購入動機の大きな部分を占めている。


●「時間はない、でも自分のスキルも磨きたい」
というOLをターゲットに、15分英会話無料レッスンも登場。


事前に、ホームページから無料レッスンの予約を申し込み、
1日60人の定員で、昼休みにあたる12時~13時の1時間に実施。


(60人を4回入れ替えする)


これなら、時間のないOLやビジネスマンでも気軽に体験できるとあって評判だという。


●ここで、もう1つポイントがある。


英会話教室に限らず、
カルチャースクールなどでよく見かける「無料体験レッスン」という表示。


これを見る消費者は、率直に「無料か!うれしい!」とは感じないだろう。


入講を押し付けられるのではないか? という不安感を少なからず感じるはずだ。


そこで、そういう不安感を無くす作業も必要となってくる。


英会話教室の場合、無料レッスンの定員が60人と多い。


1人でポツンとレッスンを受けに行くほど心細いものはない。


それに対し、60人もいれば安心となる。


また、15分という時間制限も、そうした安心感を生み出しているといえる。


無料レッスンの際は、押し付け営業は一切行わないと明文化することをおすすめする。


【総括】


●人間の心理とは難しいと思う。


「安心」は「信頼」へとつながり、
やがて「企業イメージの向上」へとつながる。


牛丼業界にしても、英会話教室にしても、
消費者にとっては「どの店でもたいして変わらない業界」ということになる。


言い換えれば、「どこに行っても、そこそこの満足感が得られる」と認識している。


では、他社との差別化は? 


ここで生きてくるのが「企業イメージ」となる。


このボヤッとした得体の知れないイメージ像が、結局は大きな指針になっている。


非常に難しいことだが、客を絶対に裏切らない「安心感」を追求していくしかない。

米満和彦 著書一覧