商店街戦略

2002年03月22日号

●大型店舗に押されて、商店街の経営が厳しいといわれて久しい。


このことは国も真剣に受け止め、
あらゆる形での助成金や補助金制度が確立されている。


また一方で、近隣の韓国やシンガポールに大きく遅れをとっていたIT分野に関しても、
新しい試みにおける補助金制度などがある。


そして今、商店街がITを武器に立ち上がりつつある。


●京都にある商店街で、年間50~60の商店街が視察に訪れる所がある。


約50の店で構成されているその商店街では、年間に40もの事業を起こす。


ただ、その内容は売上げ重視ではなく、
あくまで「地域住民との出会い、交流の場をつくる」ことが狙いとされる。


商店街が本来持つ特徴を第一に掲げているわけだ。


その結果として、売上げもあがればいい、という考え。


●十年ほど前から自ら研究し始めたICカードサービス。


あらかじめ、10万円までのお金を店に支払いプリベイトカードやポイントカードとして使用できる他、
売り掛け管理の機能も併せ持つ。


このサービスで、国から2億円近い補助金を受けている。


また、そのカードを読み取る機能をもつ端末を各家庭に設置し、
テレビ画面から商店街の催しや商品情報の閲覧、
リモコンでの簡単注文もできる通販も開始した。


注文書は、各店にFAXで送られる仕組み。


これにも1億を越す助成金がついたという。


●一方で、アナログ的に高齢者向けの給食サービスも実施。


デジタル・アナログ双方の良さを生かした戦略を展開している。


それでも経営的に厳しい店も多く見られるようで、
今後撤退を予定している店もある。


しかし、その空き店舗のその後の活用方法も面白い。


空き店舗に「商店街のコンビニ」を開くという。


大多数の店が夕方には店を閉めてしまうため、
その後、深夜まで開けておく予定のコンビニに、売れ残った商品を安く引き取ってもらい販売したり、
昼間のテレビ注文の品をコンビニで受け取れるようにするなどのアイデアが出ているという。


どのような店にも、それぞれの特徴がある。


この商店街では、それぞれの長所・短所をうまく織り交ぜ、
今後の生き残りを模索している。


【総括】


●世の中「万人に受ける!」ものは、ほとんどない。


商店街は、「低価格・品揃え」では、
どうしても全国展開の大型店には負けてしまう。


商店街のターゲットは、やはり高齢者をメインにした地元のお客様となるだろう。


そこに、カッコいいイメージも先進性のある店もあまり必要ではない。


要は、客との距離をどれだけ縮められるかがカギとなる。


どのような業態にもいえることだが、
その店独自の特徴やサービスを伸ばすことが、他との差別化となる。


自らの業態にあった販売戦略を立てていくべきだと思う。

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