マニア層の悩み

2003年09月22日号

●アニメやプロレス(等)に関する関連商品の市場において、主要客層となるマニア層。


過去“オタク”などとも呼ばれ、一部では偏ったイメージも感じられるが、
流通市場においては、マニア層は絶対的に欠かすことができない客層となる。


また、若干の差こそあれ、世の男性は収集癖が強く、
少なからずマニア的要素を持ち合わせている。


●ある切手収集マニアの面白い話があった。


彼は小学生の頃から切手集めにはまり、
以降数十年にわたり、新しく発売される切手を欠かすことなく収集してきたそうだ。


そんな彼が最近、長年続けてきた切手収集にピリオドを打ったという。


その要因は、日本郵政公社の新サービスだった。


●日本郵政公社が「写真付き切手作成サービス」という新商品を売り出したのである。


ネーミングの通り、自分の写真を切手に出来るというもの。


新しく生まれ変わった日本郵政公社としては、
より高い売上げと、ファン層の拡大を狙っての新サービス導入だろうが、
切手マニアの彼は、このサービス開始により収集をストップさせた。


●新サービスは、申し込んだ人の写真5枚と80円切手5枚がワンシートになったもの。


価格は1000円。


内容も価格帯も、私たち一般人から見れば魅力的な商品思えるのだが、
マニア達にとっては、そこで発売される全ての種類の商品を集めることに魅力を感じている。


しかし、この商品はほぼワンシートずつ異なる切手として発売され、
しかも、それらを全て収集することは不可能だと感じた時、収集の限界を感じたのだろう。


●以前、当メルマガで1年366日(うるう年も含め)の日付けが入ったテディベアに人気がある内容を紹介したが、
366個であればどうにか集めることもできるだろうが、
今回の新サービス切手のように、それぞれが個人オリジナルのものであれば、買うことすら出来ない。


「その商品については、自分のものだけをコレクションとして加えれば?」
と思うかもしれないが、マニア達が目指すところは完全収集。


そこに、意識の違いがある。


●さらに、阪神タイガーズの優勝記念切手は、某コンビニのみでの販売するということで、
入手できない地域が出てくるものもある。


希少性を持つことは、今の時代のニーズに合っているかもしれないが、
入手困難な商品が出れば出るほど、一個人である収集家たちはついていけなくなる。


つまり、それまで確実に売上げの一部を担ってきた収集家たちが、
市場から消えてしまう危険性があるということ。


【総括】


●最近では、ゲームソフトやDVDなども、マニア向けの商品や販売方法が目立ってきているが、
マニア層をターゲットにするのであれば、彼らの意識や満足するポイントを十分に把握した上で実施すべきであろう。


ただやみくもにタイトルを連発すればいいのかというと、そうではない。


販売方法や時期、タイトル数、価格帯、そして当然なら市場全体の動きを睨みながら、
より購買意識が高まる演出が必要となってくる。


マニア層は、貴重な消費層であると同時に、居住地域やその財源は限られていることをお忘れなく。

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