入りにくい店

2002年03月29日号

●1個80円のハンバーガーや280円の牛丼など、
商品の価格が下がり続けているこの時代に、
全く逆の現象も見え始めている。


1万円のカレーや、7000円のラーメンといった「高値商品」が、一部でヒットしている。


世の中のあらゆる価格が下がり続けている今、
逆に、高値は目立つ存在となってきたということか?


7000円のラーメンがヒットし続けるとは到底考えられないが、
いつの時代においても、目立つ商品は売れる可能性を秘めている。


●ひと昔前、ファッションチェックを受けるディスコがあった。


金さえ払えば誰でも入れる、というわけではない。


そのチェックは本当に厳しいもので、
「スニーカーだからダメ」という程度ではなかった。


頑張っておしゃれをしてきた若者も、
「いまいち」と帰されてしまうパターンもしばしば。


それでも、店は連日大盛況。


順番待ちの客が列を作っていた。


●「せっかく金を払ってくれる“客”なのだから」と思うかもしれないが、
このような形態の店は、ディスコに限ったことではない。


高級レストランと呼ばれるもので、同様の店もあった。


ここでは、ファッションチェックをするわけではないが、
客層や内装といった、店の存在そのものが客を選んでいた。


自然とその店の風格にあった客が集まっていたという。


●レストランにしろディスコにしろ、
なぜ、客はこのような店を選んでまで行こうとするのか?


ここでの客心理は「あの有名な○○に踊りに行った」という満足感だろう。


知人にも自慢気に話をすることができる。


つまり、その店に行くこと自体が、ひとつのステイタスとなっている。


「おいしい」や「安い」とはまた異なる価値観が存在する。


【総括】


●ネットショップでよく聞かれる話として、「なんでも屋」よりも、
1つのジャンル(もしくは商品)を専門的に扱った方が売れる可能性が高い。


そこには「専門だから安心」「専門だから安いだろう」といった客心理が働く。


どんな店でも言えることだが、
どこにポイントを置くかで、売れ行きは変わってくる。


「安い」に価値観を見出すのか、「高い」に価値観を見出すのか、
「入りやすい」または「入りにくい」 …全てありだろう。


ただし、「高い」や「入りにくい」に価値観を見出す場合は、
相応の付加価値が必要となってくる。


そのうち、10万円のコーヒーや1000円のスーツなんてものが出てくるかもしれない。

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