メール広告は若者だけのものじゃない!

2003年08月11日号

●今流行りの携帯電話を使ったメール広告。


特に目新しさはなくなってきたが、
「常に消費者の状況は変わっていること」を物語る事例があるので紹介してみたいと思う。


近鉄百貨店で実施された販促プランだが、
今では、どこの百貨店・デパートでも、メール会員に力を入れている。


なにせ、一度お客のメールアドレスを取得すれば、
その後の広告配信費はほとんどゼロになるから、魅力的なツールだ。


そんな魅力的なツールに力を入れるのは当然。


…しかし、本当にメール会員募集に力を入れているだろうか?


本当にその部分に全力を注いでいるだろうか?


●なぜ、そのようなことを言うのかというと、
ここで、百貨店の客層について考えた時、
メール会員の必要性に疑問を感じてしまうからだ。


当然、百貨店の客層は30~40代以上の女性がメインとなる。


その中でも特に、40~50代以上のいわゆる“お金持”主婦層が、
絶対的に高い買い物をしてくれる。


では、携帯を使ったメールを頻繁に使用している年代はというと、
10~20代が中心となってくる。


メール会員への広告配信は確かに魅力的だが、
それ以前の問題として、各々を利用する年齢層が異なるのだ。


だから、本当にメール会員募集に力を入れているのか? と問いたくなる。


●「競合他社もやっているから」
「今10~20代の女性の囲い込みに成功できれば、将来的な売上げ増が見込めるから」
といった理由が、今現在の百貨店の大方の見解だろう。


しかし、世の中のスピードはとても速い。


近鉄百貨店での事例を参考にしてほしい。


同社は、毎週1回の折込チラシとハガキDMを実施している。


ここに3×4センチのスペースを割き、
商品券があたるモバイルキャンペーンを実施した。


●仕組みは、客が携帯からキャンペーン用のアドレスへメールを送る。


自動的に抽選され、その結果がお客の携帯へメール返信されてくるというもの。


仕組みはいたってシンプルなものだが、
実際には、お客のメールアドレスの収集と、
アンケートによる多くのデータ収集が目的。


●結果としては、2回の折込チラシでのレスポンスが2000件以上、
メール会員獲得数は400人を超えた。


応募のほとんどは、折込当日に届き、キャンペーン後もメール広告を配信。


もちろん、メールDMにもプレゼントを用意したところ、
その返信率は、実に75%。


ほとんどが、即日返信だったという。


そして、結果的に、百貨店の主要顧客層となる30代以上のお客はどれ程いたのか? というと、
なんと50%を超えたという。


半分以上が主要顧客という結果だった。


【総括】


●5年前なら、50%を越えることは難しかったであろう。


しかし、現代の女性は貪欲に新しいものにチャレンジする。


「30代以上はメールなんてしないだろう」という勝手な思い込みで、
いつまでも力を入れなければ、
あっという間に、競合店に主要顧客を奪われてしまいかねない。


メールを日常的に利用する年代は、日に日に高まっている。


そう、世の中は常に動いているのだ。


そういった意識はいつも大切にすべきだろう。

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