発想

2001年12月07日号

●約100年前、当時フランスの植民地だったアルジェリアにて、
機械技師だったフランス人のラルティ-ニュはある大きな悩みを抱えていた。


アルジェリアは砂漠地帯であるため、激しい風が吹くたび鉄道のレールが埋まってしまい、
ラルティーニュの仕事で必要とされる資材が届かないのだ。


もちろん、砂でレールが隠れてしまい鉄道が不通になってしまうため。


皆さんならこの局面をどう捉えるだろうか?


相手は大自然。


こればかりはいたしかたないと、諦めてしまう方がほとんどだと思う。


しかし、ラルティーニュは違った。


●レールが砂で埋まってしまうのなら、
このレールそのものを“持ち上げてしまえば”いいのではないか?


この発想が起点となって、モノレールが発明、完成された。


鉄道のレールは地面をはっているもの。


そして、砂漠の砂塵はいたしかたないもの。


誰もがそう考えると思う。


しかし、ひらめきは予想もつかない発明を生むことがある。


多分、普通の思考ではこの発想にたどり着かないと思う。


なぜなら、常識という概念がジャマをするから。


●物事には予想できないことが圧倒的に多いと思う。


販売促進においても売ってみないとわからないことがかなり多い。


前段階として、何かを仕掛ける場合、最低限の準備は必要。


そして、そのなかには予測という項目も入ってくる。


A支店ではいくら、B支店ではいくらという売上げ予測。


または、営業マンでもよい。


そんななか、結果として予想以上に売上げが伸びるC支店、
そして、逆に予想以上に伸びないD支店といったものが現われる。


これは当然のこと。


では、「C支店、よく頑張ったね」「D支店、次は頑張りなさい」で済ませてはいないだろうか?


そんなことはどうでもいい。


その両支店の売上げの差の原因を追求しなければならない。


その原因追求が、次の販売における、最高に貴重な“資料”となる。


しかし、次回もやはり予測できない事態は訪れるだろう。


それなら再び原因を追求すればよい。


販促とはその繰り返しのことだと思う。


●原因追求の繰り返しは、やがて“当り前(常識)”をしのいでいくだろう。


それは、予測や常識を上回る経験やマニュアルを手に入れられるから。


ラルティーニュは常識の視点では考えなかった。


時として当り前(常識)は思考の邪魔をする。


シンプルに、明快にレールを持ち上げたら? と考えた。


ジャマな常識という概念からスタートするのではなく、
「こうしたら売れる」から考えたら、
きっとラルティーニュのようなシンプルな面白い発想になるのではないか?


そういう発想こそが人間の欲を満たすのではないだろうか。


【総括】


●良い商品を生産すること、売ること、顧客を集めること…販売促進においても、うまく事が運ばないことが多いと思うが、
シンプルな視点から考えていけば、
そういった難関も苦にならないのではないだろうか?


「うちは小さい店だから」や「この地域は田舎だから」という発想を多少でもお持ちではないだろうか。


そういったものをジャマな“常識”という。

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