無から利益を生む

2001年12月21日号

●デフレの世の中、一般消費者にとっては、
あらゆる商品の価格が下がり喜ばしいことであろううが、
売る側にしてみればたまったものではない。


特に、熾烈な価格競争に入っている家電・パソコン業界はひどい状況らしい。


日替わり商品などは実際卸値以下で売る店もあるらしく(もちろん数量限定の客寄せとして)、
10万円のパソコンを売って、利益が1000円なんていうことも珍しくない。


こういう状況を見るにつけ、
仕入れが発生する物販は大変だなあと思う。


もし、仕入れが必要なければ、
もし無から利益を生み出すことが出来れば、
これほど良いことはないだろう。


(もちろん、仕入れがほとんど発生しない業界もたくさんあるが…)


●だいぶ古い話になるが、ある電話会社での話。


当時市外電話は現在のようなダイヤル式ではなく、
全て交換台に申込み、つないでもらっていた。


ここである社員がひらめき、
交換手に必ず「至急になさいますか?」と尋ねるようにした。


電話をかけてる状況である以上、
まず「ゆっくり」と返す人などほとんどいない。


ほとんどの客は「至急で」と返したという。


すると、料金は通常の2倍になる。


しばらくすると、至急の客ばかりになるものだから、
至急と頼んでもそんなに早くつながらない。


すると今度は、「特急はいかがでしょうか?」と尋ねるようにさせた。


これは料金が3倍。


この場合の仕入れ(消耗品)である電話機の数を増やすことなく、
利益を増やすことに成功したという。


●笑い話のようでもあるし、
また時代背景も違うので現代への応用は難しい部分もあるが、
ほぼ独占という市場の中にあって、
サービスの価値を「普通」「至急」「特急」の3つに分けることで利益を上げることができた。


まさに、無から利益を増大させることに成功したのだ。


【総括】


●なにもないところから1つのビジネスを立ち上げるのは、
よほどの天才でない限り難しいことだろう。


しかし、毎日皆さんが販売している商品にプラスアルファのサービスを付加することができれば、
もっと売上げ増につながる事だろう。


その付加するサービスは仕入れなしでいきたい。


もちろん、販売価格は変わらないのだから利益増でないけれど、
売上げ増になればイコール利益増にもつながるだろう。


先にも述べたパソコン販売店などはパソコン教室や修理代により、
少なからず利益を確保している会社も多い。


各々の商品に関してプロである皆さんが、
互いにアイデアを持ち寄れば面白い発想が生まれるのでは?

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