新市場

2002年01月25日号

●ショッピングモールの中央部分に人だかりができている。


のぞいてみると、
小学生と思われる女の子を中心としたファッションショーが行なわれていた。


なかには、幼稚園生にも満たない男の子が、
華麗なファッションに身を包んでお姉ちゃんと2人、
ファッションショーの壇上に上がっている。


途中で泣き出す子もいれば、スター気取りにピースサインをする子もいる。


子供たちなので、どういう行為も好ましく映るのだろう。


観客も皆、ほほえましく笑っている。


今、アパレル業界では、この子供たちを“バブルジュニア”と呼び、
注目しているそうだ。


●ちょうど、バブル期にあたる1980年代に、
DCブランドなどのファッションブームを経験したお母さん達の子供にあたる世代として、
こう呼ばれている。


この世代は、ファッションのみならず、グルメや海外旅行など様々な“遊び“を楽しみ、
それに対して非常に理解があるため、子供たちにも自らファッションリーダーとして、
指南しているという。


今まで、各アパレル企業も特に力を入れていなかった、
いわゆる空白の市場といえる。


そこに様々な業種が参入、名乗りをあげている。


●主な品目としては、ファッションはもちろんのこと、
ファッション雑誌や化粧品販売も好調だ。


先のファッションショーなども企業側が積極的に開催し、
その都度「どのような服がほしいか」を直接子供たちにアンケートを取り、
製造に反映しているという。


おおまかな好みのファッションは、女子高生のような「お姉さん」的雰囲気を持ちつつ、
「かわいらしい」色柄という独自性の強いもの。


●今後は、雑誌、美容、飲食といった市場にも、
この手の商品が進出していく可能性が強いという。


また、百貨店などでは撮影会やヘアメーク講習会などを開くことで、
通常の5倍の売上げを記録したイベントもあったとか。


ファッションは女性からと言うが、
今や、男性に対しても化粧品やファッション雑誌の種類は多い。


バブルジュニアがブームになるとしても、
それはやはり女の子を中心としたもの。


これに本格的に火がつけば、次の狙い目はバブルジュニア男の子か?


【総括】


●“子供”対する市場が今以上に盛り上がっていくのは、
ほぼ間違いないと思う。


家庭内でも、もし奥様がいかにも高そうな服を着ていたら、
「なんだお前ばかり」と思う旦那でも、
子供が新しい服を着ていれば不満は出ない。


さらに、高齢化及び少子化が拍車をかける。


おじいちゃん・おばあちゃんにとっても、
数人しかいない孫に対しては財布のひもをゆるめるだろう。


●但し、そういった子供向けファッション誌にしても、
今の段階では参入企業が少なく、雑誌自体広告費でまかなっている形態では、
多くて3誌が限界という見方もある。


また、参入企業が少ない市場ではあるが、
成熟していないことで採算が取れないという風にも考えられる。


タイミングが難しい。


個人的には、バブルジュニア向け恋愛ドラマなどが、
市場の牽引役として面白いと思うのだが…。

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