提案する

2002年01月16日号

●百貨店の売場などでは、バッグと靴の売場が隣接している場合が多い。


いわゆる、外出(買い物や通勤等)をコンセプトとした売場作りによるものだ。


より関連性のあるものを、より効率良くお買物していただけるためにはこのようなコンセプトが必要だし、
もう一歩踏み込んで、売場がなにかを提案できれば更に良い。


●ある和菓子屋でのPOPが面白かった。


『お好きなあん・ジャム・チョコなどトッピングする材料をお選びください。
もなかの皮やどらやきの皮・おせんべい等につめ、あなたオリジナルの創作和菓子をお作りします』
というもの。


この考えは、ある意味、和菓子の概念を無視した企画といえる。


なぜ、このような企画を始めたのだろう?


そこにあるコンセプトは“若い女性”に洋菓子と同様、
気軽に楽しみながら和菓子を食べてほしいという所にあった。


まさに、提案型の店である。


●この店には、リピーターが多く、
毎回異なる組み合わせを楽しむ人や、
すでに自分好みの究極の和菓子を完成させている人もいるという。


この手法であれば、常に客を飽きさせないための新商品の導入も必要なくなる。


(トッピングや皮においては必要であるが)


なにせ、客が自分で新商品を開発していくのだから。


【総括】


●焼肉屋さんやお好み焼き屋さんでも感じることだが、
材料だけ提供して後は客が自分の好みで焼く店が多い。


客はこれを“焼く楽しみ”と捉えるのか、面倒くさいと感じるのか…。


100人の消費者がいて100人全て客になるなんてことは絶対にありえない。


だから、「ご自分でも焼くことも出来ますし、厨房で焼くことも出来ます」
というのが一番困る。


この提案は、客にとって一見選択肢を広げているようにも見えるが、
実は、客を悩ませているだけなのではないだろうか?


●どこまでが店の(当り前の)サービスであり、どこからが提案になるのか、
この見極めが大切だ。


これを外すと、客にとっては、非常に不親切な店と切り捨てられるだろう。


今回の和菓子でもそうだが、
自分だけの和菓子が完成する“楽しみ”、
焼肉屋さんでは、自分の好みで焼く“楽しみ”がある。


共通点は“楽しみ”かもしれない。

米満和彦 著書一覧