多種少量生産型Tシャツ

2002年04月17日号

●パソコンプリンターの性能が年々良くなると共に、
出力紙の種類も豊富になってきた。


一般的な普通紙から光沢紙、印画紙、シール用紙、和紙など、
ほとんどの家電量販店に専用コーナーを作っている状況だ。


中には、陶器や布にも貼ることのできるシール用紙もある。


これを利用して、オリジナルデザインのTシャツを販売する店や、
ネットショップが増えている。


●もちろん、生地にもこだわり、
印刷もシールではなく、塗色というところも多いだろう。


あらゆる意味で、Tシャツが手軽に作成・販売できるようになってきた。


そして今、世の中はTシャツブームといわれている。


昨年、東京にアートTシャツショップが開店し、人気を博している。


同店は、シールなどではなくシルク印刷形式で、
有名無名に関わらず、様々なアーティストのTシャツを販売している。


●Tシャツがうけている背景としては、オリジナル性がある。


ひと昔前までの商品であれば、1つの絵柄を大量生産してコストを抑えてきたが、
今のTシャツは「多種少量生産」が基本となっている。


同じ柄は、多いものでも200枚程度しか生産しないため、
消費者にとって個性を打ち出しやすい。


また、Tシャツの素材だけを見た場合、
非常に原価のかからない商品であるにもかかわらず、
中には、数万円のTシャツも登場している。


なぜ、そのような高値がついているのかといえば、制作過程にある。


作者がどういう意図でその絵柄を考えたのか、
また、名前や経歴・コンセプトなどを、
販売時に説明書として添付することで、付加価値がついてくる。


ちょっと形を変えた芸術作品といった趣か。


●今の若者にとってのTシャツは、
“夏に着るもの”という感覚はない。


冬でも、おしゃれが前提にあるため、
重ね着用に、Tシャツは欠かせない商品だという。


今後、「気軽に制作できる」Tシャツアーティストのなかから、
有名な作家が育っていくかもしれない。


そうなると、プレミアがつく商品が必ず現れるだろう。


ブームは、変化し続ける。


【総括】


●若者向けのファッション誌など見ても、Tシャツ特集の多さに驚く。


まさに、アーティストの作品発表会といった趣。


このようなオリジナル商品として、今後可能性があるものとしては、
帽子やエプロン、ズボンなども面白い。


共通していえることは、オリジナル性。


時代は、確実にオンデマンド化しつつあるようだ。

米満和彦 著書一覧