中高年委託職員

2003年05月02日号

●「どうすれば売上げが上がるのか?」


これさえわかれば苦労はない。


「これがわからないから苦労してるんだ」なんて言われそうだが、
ぜひ一度、この言葉を客観的に捉え直してみてほしい。


「どうすれば売上げが上がるのか?」ということはつまり、
「どうすれば自社の商品を購入してくれる人を見つけることができるか?」
にかかってくると思う。


自社商品を買いたいという「人」さえ見つかれば、売上げは上がるはず。


当然のことだ。


●ここに、見込み客獲得における見事なシステムを導入している企業があるので、
是非参考にしてみてほしい。


仏壇販売最大手のH社では、
2001年から「シニア制度」なるものをスタートさせた。


同社のこれまでの営業方法は、
自治体や寺院の掲示板に貼り出されてある訃報の情報(氏名や住所など)を足を使って収集し、
その情報をもとに、営業活動を始める、という地道なもの。


販売する商品が仏壇であるだけに、
なにかと情報収集が難しい点があるという。


●葬祭関連の業界では、
これまでは、こういった地味な営業手段しかなかった。


しかし、当然、営業マンの数にも限界はある。


そこで、目を付けたのが、地域に住む中高年の存在。


それぞれの地域に長く住んでいるので、
人づきいあいも多く、地域情報にも詳しい。


また、なんといっても、こういった中高年層は時間的な余裕がある。


彼らに地域の葬祭に関する情報を集めてもらおう、というわけだ。


●身分としては、委託職員として週に1回自宅近くの店舗に出勤し、
店長に活動成果を報告する。


契約は半年で、委託料として毎月5万円を支給する。


仮に、店に紹介した客が商品を購入したり、
墓石や仏壇の販売に直結した場合は、販売額の2~5%を支払う。


今現在、「シニア制度」委託職員は約100人。


実際に制度を始めた2001年には、約4千万円だった売上げが、
翌2002年には、約4倍の1億6千万円にまで達したという。


●将来的には、1000人規模の職員を採用することで、
自社の売上げ増大とともに、
今問題視されている中高年層の仕事に対する活躍の場を提供していきたいという。


販売商品の特性から、どうしても営業活動が制限される点、
なにかと情報を集めにくい業界である状況、
そして、今日本が抱えている高齢問題等をすべて解決できる販売策だといえる。


【総括】


●かつて、同窓会サイト「ゆびとま」が一挙に日本全国の個人情報を集めるために、
各地のボランティアを募り、情報収集に成功したのは有名な話。


「だれが商品を欲しがっているのか?」という情報を集めるのは、
各々の商品特性によって、その集め方も大きく異なってくるだろう。


しかし、情報を集める人材は、必ずしも自社の社員とは限らない。


そこに魅力的なコンテンツ(ゆびとまのようなサイト)があったり、
中高年層の雇用促進といった社会的メリットがあれば、
人々は、給与以上にその労働力を存分に提供してくれるだろう。


そして、企業の社員は、
そういったシステムを構築できる人材であるべきだろう。

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