レンタル衣装

2002年03月18日号

●商には、モノを「売る」と「貸す」がある。


「貸す」は、いわゆる「レンタル」のこと。


例えば、レンタルCD・ビデオやレンタカーの類だ。


なぜ、このような商売が成り立つのだろうか?


答えは、当り前ではあるが、「買う」よりも安く済むため。


または、借りた方が便利、という点があげられる。


それはつまり、買ってしまうと、その商品自体が残ってしまい、
その後、不用になったり、邪魔になったりすることがある。


ベビーカーのレンタルなどは、子供が小さいうちは必要であるが、
3才くらいになると不用のものになってしまう。


価格的な面を見ても、例えばレンタルCDの場合買うと3000円程かかるのに対し、
借りると300円前後で済む。


約10分の1だ。


ただし、レンタルにはデメリットもある。


他の客が借りている間は、待つしかないし、
新譜CDなどは、発売後2週間たたないとレンタルスタートができない点、など。


●このようなレンタル業界の中でも、
特に競争が激しいものに「貸し衣装」がある。


最近のデフレにより、商品の価格が急激に下がっている。


「買う」と「貸す」の価格差がなくなってきているのだ。


「そんなに値段が変わらないのなら買ってしまおう」
になりつつある。


●海外挙式が増え始めた頃の話になるが、
ある貸し衣装さんに1組のカップルが現れた。


「ハワイで挙式をあげるので衣装を1週間レンタルさせてほしい」


そこで、経営者はハワイへ飛び、支店を作ってしまった。


彼は、続けざまに、
サンフランシスコにも進出。


日本の競争が激化しているのなら外国に行こう、という考えだ。


好調だったハワイに対し、
サンフランシスコでは、それほど日本人の結婚式が多くなかった上に、
地元衣装メーカーより、販売に影響が出るとして、
ドレスの供給ボイコット運動が起こってしまう。


「やはり勝手が違う外国での商売は難しい」と、撤退するのかと思いきや、
その状況下、改めの姿勢を打ち出す。


●アメリカでドレスを仕入れることができないなら、
ヨーロッパから仕入れればいい。


彼はヨーロッパから商品を調達し、さらには地元アメリカ人にターゲットを変更、
レンタル・ブライダル・ドレスのファッションショーなどを開催。


現在では、客の80%が、地元アメリカ人だという。


考え方に限界はない。


【総括】


●販売促進を手掛ける時も同様だが、
いつの間にか、ある一定エリアの中だけでの発想しか、
できなくなってしまっていることがある。


色々と話し合いをしているうちに、
自らに限界線を作ってしまっているのだ。


クライアントが「チラシを作りたい」といってきた場合でも、
その考え方としては、媒体をチラシに限定する必要はないのではないか?


クライアントにしてみれば、結果として商品が売れればいい。


日々の仕事の流れで、
「B4サイズよりB3サイズのチラシでいこう」
なんてことに頭を悩ませがちだが、
「その商品が売れるためには?」
という考えを起点にすれば、
チラシ以上に、低価格で効率のよい媒体があるかもしれない。


考え方に限界はない。

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