ハイコスト経営を否定しない

2001年11月02日号

●人件費や経費をいかに減ら、ローコスト経営を推進していくか?


よく問われる課題である。


では、ハイコスト経営は全面的に否定されるべきものなのか?


今回はハイコスト経営を否定せず、
ハイ・ローコスト一体化経営について説明したい。


●接客業など人を相手にする商売でサービスを重視すれば、
人件費は必然的にハイコストになる。


その分、お客様の見えないバックヤードでは徹底的なローコスト経営をするというのが、
相反する2つの経営法を一体化するということである。


バックヤードで落ちた経費の何十%かを、
店頭のハイコストな部分に充当すれば、競合に勝てる。


例えば、人件費削減のために販売員を減らしたら、客が販売員を探すのに面倒がり、
「あの店は全然私たちをかまってくれない」
ということになるだろうし、
商品数にしても回転率などばかり重視し減らしてしまったら、
いつも欠品ばかり起こり、欲しい商品が揃わないことになる。


●アメリカのショッピングセンターでの話だが、
ある店は1つのレジに3人のお客様が並んだら次のレジを開けるしくみができていて、
8~9台ものレジが平日でも開けることができる。


お客様はアメリカの田舎町で車を1時間もかけてお店にやってきてくれたわけだから、
欲しい商品がないということになったら“店に裏切られた”と思うはず、と考えている。


日本で1時間はあまり考えられないが、その位のスタンスは必要だ。


●つまり、効率追求とは、非効率部分を残すために必要であると言える。


残した非効率部分が競合他店に勝ち、実績を上げる源泉となる。


この部分をなくしてしまったら、
企業はリストラで縮小していくばかりになる。


企業とは、
ハイコストオペレーションとローコストオペレーションのいわゆる分配業なのだ。


【総括】


●当たり前の話のようであるが、
ハイコストとローコストをキチンと線引きができている企業は少ない。


企業規模を縮小させるのならこの考えは必要ではなくなるが、
常に売上・利益アップをはかっていくのなら、
この相反する2つの考えを一体化させるよう努めるべきだ。


企業にとって非効率な部分こそが、客の満足度を高める部分である。

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